宇宙から発信されるパワーをキャッチし、2戦連続完封だ-。11日のアウェー神戸戦に備えて9日、J1山形は紅白戦を行った。本番さながらに攻守の切り替えが早く、GK清水健太(28)が最後方からコーチングし、締まった内容。守護神の励みになっているのは同郷の千葉県松戸市出身である山崎直子さん(39)の宇宙での活躍だ。

 チームとは別に、自らも相手チームの分析に取り組むこともあるほど、勉強家の清水。競技を離れても、新聞や雑誌から時事ネタ収集に時間を割く。山崎さんの国際宇宙ステーションでの働きぶりを、郷土の誇りとして心底喜んでいる。「松戸って、女子大生の殺人事件とか悪いニュースで注目されてましたからね。山崎さん(の活躍は)全国区で、いい情報を聞けるのはうれしい」。

 山崎さんがロボットアームの名手ならば、守護神は「鉄壁アーム」で封じる。小学時代にドッジボールで無類の強さを発揮した清水は「球を捕ることが面白くて、GKを志願した」という思い出話を、語っていた。職種は違えど、ともに子どもが夢見る立場。「あこがれの存在だなんて、全然」と謙遜(けんそん)するが、向かってくるボールをすべて、はね返すつもりだ。

 3日広島戦で今季初完封して重しが取れ、動きは軽快になった。好奇心旺盛な清水は、日本代表入りした神戸の特別指定選手でもあるFW永井(福岡大)について「未知だから、楽しみ」とにやつく。郷土の先輩がスペースシャトルなら、清水はゴールスペースをシャット(閉じる)だ。【山崎安昭】