モンテディオ史上“最高のジョーカー軍団”で、圧倒する!

 24日アウェー京都戦で、J1山形が大型サブメンバーを編成し、勝利する。180センチオーバーの選手をベンチに5人(3月27日鹿島戦以来2度目)並べる。威圧感はさることながら、交代カードを切るごとにピッチ内の平均身長が高まる構成。攻撃開始の合図ともいえるMF下村東美(29)の投入だけでなく、小林伸二監督(49)がどのカードを選択するか注目だ。

 自他ともに「守備の人」と認める下村がピッチに入る時、山形の攻撃のスイッチがオンに切り替わる。小林監督が「東美が入ると(守備が)締まるからね。選手がそう(攻撃開始の意)とらえていると思う」と、戦術の一端を明かす。

 それまで守備に一生懸命だった攻撃陣が、下村の投入で息を吹き返す。途中出場で元気いっぱいの181センチの大型ボランチが、相手をつぶすことで、攻撃に意識をシフトできるのだ。すぐに試合の流れに入れるように下村は「アップの時、見られる限り(戦況を)見てるし、フルパワーを出せるように準備している」と、自信を見せた。

 もちろん、攻撃においても重要な役目を担う。逆サイドへ大きく展開するパスも出せば、ミドルシュートも打つ。京都戦に向け22日も、居残りでキックの感触を確かめた。鹿島戦では実現しなかったが、DFキム・クナン、MFキム・ビョンスクも同時にピッチに立てば、セットプレーのターゲットも増え、相手のマークも薄まる。「大きくなるからって、得点が増すわけでもないでしょ」と控えめな下村だが、ゴールを狙わない選手はいないはず。攻撃の鍵を握る「守備のカード」を、小林監督がいつ切るか目を離せない。【山崎安昭】