経営難に苦しむJ2東京Vの臨時株主総会が29日、東京・稲城市のクラブハウスで行われ、クラブを運営する「東京ヴェルディホールディングス」が持つ全株式をJリーグの関連会社「ジェイリーグエンタープライズ」に譲渡されることが決まった。崔暢亮会長、渡貫大志社長は辞任し、新たにJリーグの羽生英之事務局長が代表取締役社長、由井昌秋リーグマネジメントグループマネジャーが取締役に就任する。羽生社長は同事務局長と兼任する。これにより、リーグが1クラブの経営に直接関与する初のケースとなった。

 鬼武チェアマンは「今季を全うするための超法規的な措置。この体制は今季限り。新たにクラブを担ってくれる企業を探す」と語った。現状で約4億6000万円が不足しており、Jリーグの公式試合安定開催基金を投入する。新たなオーナー企業が現れた場合、この基金は返済してもらう。

 羽生社長は「来年に向けて環境を整え、次にやっていただける方を探したい」。新オーナー探しは、Jリーグ規約にある退会期限の9月30日がめどになるが、同社長は「見込みがあるならば期限延長のお願いをしたい。それでも11月末には決着する必要がある」と語った。新たなオーナーを見つけられない場合、今季限りでクラブが消滅する恐れもある。