<J1:浦和1-1鹿島>◇第21節◇28日◇埼玉

 王者鹿島が辛うじて勝ち点1を拾った。後半50分。DF新井場のロングスローをDF岩政が落としたところに走り込んだMF本山雅志(31)が、値千金の同点弾を奪取。だが、5試合ぶりの白星をつかめず、試合終了と同時に選手はがっくりと肩を落とした。

 「おれらは勝ち点1で満足できるチームじゃない」とMF野沢はこぼした。7月31日の神戸戦以来、勝利から見放され、J1最速の350勝到達も持ち越されたまま。後半14分にFWマルキーニョスがPKを止められたシーンは、苦しいチーム状態を示していた。

 持ち味の運動量が暑さによる消耗で激減する夏場に弱く、リーグ戦開催時期の3月から12月の10カ月で、8月の勝率は最低の4割6分3厘(80戦37勝9分け34敗)。今月は3分け2敗で00年以来2度目のリーグ戦8月未勝利に終わり、本山も「勝ちにいった試合なので残念」と悔しがった。

 9月も暑さが残るだけに消耗戦は続くが、この日の粘り強い戦いは光明になるはず。日本代表の岩政は「僕たちはいい準備をして、球際を厳しくやって勝つ確率を上げるしかない」と話した。首位名古屋とは勝ち点7差だ。【菅家大輔】