<天皇杯:名古屋2-1札幌>◇9日◇瑞穂陸◇3回戦

 コンサドーレ札幌は名古屋に敗れ、06年以来となるJ1討ちはならなかった。後半6分、初めてトップ下で先発出場したMF高木純平(28)が先制ゴール。後半残り2分に逆転を許すまでは、粘り強い守備とカウンターを武器にJ1首位を走るチームを最後まで苦しめた。

 何かを感じさせる90分だった。J1首位とJ2・15位の対戦。誰もが予想した名古屋大勝のシナリオを札幌が壊した。0-0の後半6分、MF芳賀の縦パスを受けた高木が右サイドからDF裏をついた。「雨だったし速いボールを枠に蹴れば何か起こると思った」。右足から放たれたグラウンダーの鋭いシュートは水しぶきを上げ、名古屋GK高木の右脇の下をすり抜けゴール左に吸い込まれた。

 同16分に失点し同点に追いつかれるも、38分には上里のスルーパスに反応したFW内村がGKと1対1のシーンをつくった。シュートはミートせずGKに止められたが、チャレンジャーとして果敢に攻め、名古屋を最後まで苦しめた。結果的に敗れはしたものの敵将ストイコビッチ監督(45)にも「ファイティングスピリッツがあるチームだった」と言わしめた。

 技術の高い相手との戦いからは収穫もあった。高木のトップ下は今季初のチャレンジだったが、J1のDF陣を攻略し得点につなげた。石崎監督は「高木はチームで最も戦術眼がある。かみ合ってくれば彼の良さはもっと出てくる」と評価した。サイドバック、サイドハーフ、ボランチと巧みにこなしてきた高木に、またオプションができた。名古屋はDF闘莉王、MFダニルソン、FWケネディら主力を欠いた布陣。手放しで評価はできないが、J1に定着するチームづくりを目指すクラブには、糧になる戦い方だった。

 あとは低迷するリーグ戦に、どう生かしていけるか。FW中山は「追い詰めたかもしれないけど最後の失点が力の差。いろんなことを感じて次に向けてひたむきにやること」と言った。高木も「この経験をどうつなげるか。そうじゃなきゃ意味がない。名古屋が相手だからで済まさないように」と気を引き締めた。今季は残り9試合。ここで成長を見せなければいつまでも変わらない。【永野高輔】