鼻骨骨折していた磐田MF那須大亮(29)が、次節アウェー仙台戦(14日)に強行出場する。10日の練習ではフェースガードを着用してプレー。那須は「着けていれば怖さはない。視野が狭くなるけど。試合で使うかはまだ分からない。たぶん外すと思う」。今日11日の静産大との練習試合には、フェースガードを装着して臨む予定だ。

 まさか折れているとは思わなかった。ナビスコ杯決勝広島戦(3日)で、競り合いの際に相手の腕が直撃。直後に出血したが「大丈夫だろう」とピッチにすぐ戻った。中2日で迎えた新潟戦前は「折れていると分かったら怖くなるから」と、あえてエックス線は撮らなかった。それでも、ロスタイムにFW前田の土壇場同点弾をヘディングで演出。「よく見ると鼻が曲がっていた」と平然と言ってのけた。

 しかし試合後の検査で骨折が判明。8日にゆがんだ鼻を戻すために受けた手術は、壮絶を極めた。全身麻酔にすれば、復帰が遅れてしまうため部分麻酔で手術を受けたが骨には効かなかった。「今までの人生で一番痛かった。1秒くらい気を失った。2度とやりたくない。皆さんには全身麻酔をおすすめします」と話すほどだ。

 ここまで、出場停止の1試合を除いてリーグ28試合ナビスコ杯11試合にフル出場。攻守においてチームの核を担ってきた。今のジュビロには欠かせない存在だ。「試合になればアドレナリンが出るから問題ない」と骨折悪化も覚悟の上。主将として役割を全うする。【栗田成芳】