鹿島から山形へ期限付き移籍しているFW田代有三(28)が鹿島へ戻ることが18日、分かった。鹿島の来季の構想では主力としての期待が高く、古巣へ復帰することが決まった。山形側にもすでに、本人から意思を伝えられている。

 移籍に関して鹿島側は、本人の意思を尊重してきた。しかし、FWマルキーニョスの退団もあり、前線の選手獲得の必要性が出てきた。そんな中、レンタルしていた田代が山形で活躍した。鹿島が主力として復帰を望む形となった。

 山形が2年連続でJ1に残留できた背景には田代がいた。今季10得点はチーム最多。下位と勝ち点の差がつまってきた終盤戦には、途中出場からでも得点を量産。カップ戦でも勝負強く5ゴール。エースストライカーとして、存分に力を発揮した。山形が今オフの「最重要課題」として、田代の完全移籍、もしくはレンタル延長を目指したのは、当然の流れだった。

 山形でのプレーは天皇杯で見納めとなる。去就問題に揺れた田代は、いつも大歓声で応援する山形サポーターの気持ちを何より尊重していた。支えてくれた人たちのために、最後の大仕事を果たす。