山形は17日、東日本大震災の被害が著しい仙台に拠点を置く仙台へ、練習場を提供する用意があると明かした。この日、リーグ再開時期が不確定なことを理由にチームは27日まで解散。山形でも燃料不足が懸念されており、選手は2~4人ずつ乗り合わせて天童市内のクラブハウスに集合していた。だが都市ガス使用不可能、食料不足の仙台に比べれば雲泥の差。小林伸二監督(50)は「こっちはまだマシな方。仙台の映像は信じられんよね」と心を痛めている。

 そこで、同じ東北地方のクラブの窮地を救おうと「共闘プラン」が浮上した。メーンで使用している県総合運動公園第3練習場は、サッカーグラウンドなら2面半ほどの広さ。総勢30人の山形が1日の練習で全面を使い切ることはなく、仙台が同時に練習を行っても不自由はない。敷地内にはサブグラウンド、ラグビー場、筋トレルームと提供できるスペースも多い。

 仙台手倉森誠監督(43)とは親しい仲の小林監督は「こういう事態だから申し出があったら、いつでも使って欲しい。仙台が一時的にNDスタ(山形の本拠地)をホームにしても良いじゃないか」と呼び掛けた。【湯浅知彦】