清水のDF吉田豊(22)が10日、不敵に言い放った。「1発目のコンタクトの時にかましてやりますよ」。明日12日、今季公式戦6戦全勝のホーム(アウスタ)でC大阪を迎え撃つ。標的は五輪代表候補の僚友、MF清武弘嗣(22)。“代表対決”を制して、チームを10年8月以来の首位に導く。

 90分間の非公開練習を終えて納得の表情でクラブハウスから引き揚げた吉田は、五輪代表候補の僚友・清武に真っ向勝負をたたき付けた。「とにかく動くし、ボールを持てばうまい。90分間常に注意しなければいけない」と警戒しながらも、「代表でやっているし、分かっている部分はある。いつも通りやれればやられる気はしないし、1発目のコンタクトの時にかましてやりますよ」と不敵に笑った。

 “前哨戦”でも見事に勝利!?

 を収めた。仙台戦の翌7日。吉田はロンドン五輪代表の予備登録選手として東京都内でメディカルチェックを受けた。同時に受診した清武と食事を共にした際、「次の試合でやってやるからな」と先制パンチを浴びせていた。

 封じ込めるための確かなイメージも既に出来上がっている。これまで代表合宿を何度もこなし、清武の性格は熟知。吉田は「あいつは真面目だから、自分が前に出ればそれだけ守備に追われる時間も増えて仕事ができなくなる。だから、序盤からできるだけ高い位置を取る」と明かした。今季は定位置の右サイドバックでリーグ戦9試合に先発。攻守に存在感を発揮し、現在3試合連続完封中のチームに大きく貢献している。アフシン・ゴトビ監督(48)も「非常に良い仕事をしている。相手もそう簡単には突破できないはずだ」と太鼓判を押す。

 チームにとっても10年8月の鹿島戦以来、約2年ぶりの首位浮上が懸かった大事な一戦。吉田は「1位に立つということはそんなに簡単じゃないと思う。ただ、いつも通りのプレーができれば、結果もついてくる」と頼もしい。この日公開された冒頭の15分でも、いつも通り笑顔だった。今の吉田にスキはない。【前田和哉】