<J1:新潟1-0清水>◇第14節◇16日◇東北電ス

 清水が苦手のアウェー新潟で敗れた。試合開始と同時にボールを支配し続けたが、前半39分に許した初シュートが最後まで重くのしかかった。4位から6位に後退し、昨季まで磐田監督としてしのぎを削った柳下正明監督(52)に初陣勝利をプレゼントしてしまった。

 立ち上がりから清水が圧倒的に主導権を握った。「過去のデータは関係ない」。常々こう口にしてきたアフシン・ゴトビ監督(48)の言葉通り、過去10戦でわずか2勝と苦しんできた新潟の本拠地で躍動した。前半5分、MF河井が倒されて獲得したFKをDF李が際どいコースを狙った。同8分にもW杯アジア最終予選から帰国し中1日で強行出場したFWアレックスが、混戦から右足を振り抜く。DF吉田、河井の右サイドを起点に猛攻を続けた。

 しかし、無情にもその右サイドから先制点のゴールが清水のゴールネットに刺さった。同39分、細かいパスをつながれると、最後はクロスを逆サイドで決められた。45分間を支配しながら1度の集中力の欠如で許した先制点。指揮官はハーフタイムに「もっとゴールに向かえ!

 もっとゴールを意識しろ!」とげきを飛ばし、選手を後半のピッチに送り出した。

 同11分に吉田に代えてDF辻尾を。同17分にはリーグ5試合ぶりに戦列復帰した司令塔のMF小野をMF村松に代えて投入。戦前「アウェーで勝つことは大きい。苦手意識もすべて吹き飛ばしたい」と話していた主将の言葉を体現すべく、同点、そして逆転ゴールを狙ったが、最後まで1点が遠かった。

 これでアウェー新潟戦は4連敗。リーグ戦では4試合勝ち星から離れ、順位は6位に下がった。試合後、サポーターから「ゴール」と何度も叫ばれ、選手は足取り重く控室に戻った。試合巧者は清水だった。でも勝てなかった。後味の悪さが残る試合だった。【前田和哉】