<J1:名古屋1-2広島>◇第26節◇22日◇瑞穂陸

 広島がDF森脇良太(26)の終了間際の劇的決勝弾で首位を堅持した。1-1の後半48分。最後尾から駆け上がると、ゴール前で体を伸ばして頭に当てた。「寿人さん(FW佐藤)に落とすつもりだった。枠は狙ってません。あれは“パス・ゴール”です(笑い)」。ラストパスのはずが、優勝を狙うチームの勢いを象徴するような軌道を描き、左ポストに当たって決勝弾に。「サンフレッチェファミリーの執念が乗り移った」。明るい森脇は大喜びした。

 “森脇劇場”だった。1-0の後半5分には名古屋DF闘莉王に競り負け、頭の上から同点のヘディングシュートをたたき込まれた。屈辱的な失点だったが、気持ちを奮い立たせ、最後の劇弾につなげた。エース佐藤は「良太(森脇)がチャラ以上、プラスの活躍をしてくれた」とたたえた。

 試合前に首位を争う仙台が勝った。負ければ首位陥落のピンチだった。さらに名古屋も優勝争い生き残りをかけ、必勝態勢で向かってきた。幾つもの重圧をはね返した。主役を演じきった森脇は「必ず優勝したい。12月には、サンフレッチェファミリーのすべての頑張りが報われると信じている」と高らかに“V宣言”。優勝への起爆剤となりそうな、大きな勝ち点3をつかんだ。

 ◆アウェー連続試合不敗

 広島が4月28日の川崎F戦(等々力)からJ1歴代3位タイとなるアウェー10戦連続負けなし(7勝3分け)。J1のアウェー連続試合不敗記録は、01~03年に磐田がマークした26戦連続。2位は06~07年の浦和で17戦連続。3位の10戦連続は鹿島が3度記録。