<J1:新潟0-0神戸>◇第28節◇6日◇東北電ス

 神戸の西野朗監督(57)の来季続投が白紙になったことが6日、分かった。J1残留を争う新潟との対決は敵地で痛み分け。J2降格圏の16位新潟と勝ち点4差の14位は変わらないが、公式戦7戦未勝利(2分け5敗)となり、クラブ側が監督交代の検討に入った。シーズン途中の5月に就任したばかり。日本屈指の名監督が、短命に終わる可能性が出てきた。

 西野監督に進退問題が出てきた。この日、敵地新潟で引き分けたことで、天皇杯を含め公式戦7戦未勝利。8月18日札幌戦以降1カ月半も白星から遠ざかり、残留争いにのみ込まれた。試合から約1時間半後。関西へと戻る新潟空港で来季の契約について問われた同監督は「それはクラブ側に聞いて欲しい」と語り、叶屋宏一社長は「コメントしない」と明言を避けた。だが、来季以降の続投は完全に白紙になった。

 複数のJリーグ関係者によれば、新潟に敗れ、公式戦6連敗(天皇杯含む)になった場合は、途中解任する動きもあったという。この日は敵地にもかかわらず三木谷会長が直接視察。白星こそ逃したが、選手らが奮闘したことで、この日の監督交代は回避された模様だ。西野監督は会見で「緊迫感のあるゲームだった。毎試合ハードワークして、決して悪くない試合運びをしているが、ゴールできないのがサッカーの難しさ」と淡々と話した。指揮官は再建に意欲的だが、今後については不透明なままだ。

 今季の神戸は和田昌裕監督(現シニアディレクター)で臨みながら、4月下旬に解任。西野監督が就任するまでの約1カ月は安達亮ヘッドコーチが暫定監督を務めた。ACL出場権獲得を目指しながら、結果が伴わない現状はある。成績だけでなく、補強面で西野監督とクラブ側との行き違いがあったという情報もあるが、それでもクラブ方針が短期間で変わることには疑問符が付く。

 残り6戦で、J2降格圏の16位新潟と勝ち点4差の14位。まだ浮上のきっかけは残されている。西野監督の攻撃的サッカーに心酔している選手も大勢いることから、監督交代となれば現場の混乱は避けられなくなる。