今週末のJ1で“ほこたて対決”が実現する。絶対にJ2に落ちない大宮が9日、初ゴールを決めれば絶対にJ2に落とすFW前田遼一(31)の磐田に挑む。大宮は2日の初戦、清水に2点差を追いつかれ引き分け発進。残留争いの常連だが、今年は前田を封じ序盤で勢いに乗りたい。

 ほこたて対決に自信ありだ。前田のデスゴールについて、GK北野貴之(30)は「あまり気にしてないです。というのは、取られても、取られなくても自信があるので。絶対に残します。そんなのには動じない。注目されてるでしょうけどね(笑い)。そういう伝説は破るためにある」と言い切った。万が一、ゴールを破られても、大宮の誇る残留力が最後には勝つ。

 今季、東京Vから新加入したDF高橋祥平(21)は、ヴェルディユース時代の08年にトップチームが降格した経験を持つ。08年の前田の初ゴールは東京V戦だった。磐田の注意すべき選手を問われれば「前田さんでしょ」と即答。当然、意識はしているが「その伝説を壊せばいいんで」と意に介していない。DF菊地光将(こうすけ=27)は「前田選手と試合をするのではなく、磐田と試合をする」と冷静だ。たとえ前田にゴールを奪われても、残留すれば逆に伝説になる。

 2-2で引き分けた初戦で手応えはつかんだ。2-0から2点取られ、もろさを露呈したように見えるが、北野は「試合の終わらせ方というか、最後を締める戦い方が出来れば大丈夫」と言う。リードを守り勝ちにつなげる、勝利の方程式の完成へ手応えをつかんだ。ブロックを作りはね返すのか、それともカウンターを狙う選手を投入するのか。「試合の締めのリズムを2、3試合で作っていきたい」。

 今年の目標勝ち点は53。昨季なら4、5位に相当する。瀬戸際での残留ばかりが注目されるが、昨季から続くリーグ戦の無敗記録は12戦を数える。デスゴール封じ、さらに完封となれば目標の上方修正も見えてくる。【高橋悟史】