<ナビスコ杯:川崎F2-1仙台>◇準々決勝◇23日◇等々力

 クラブ初の4強への望みを、執念で首の皮1枚残した。仙台が敵地で川崎Fに敗れた。後半28分にGK林卓人(30)が一発退場となるなどアクシデントも重なって2点の先行を許す中、後半ロスタイムにMF松下年宏(29)が貴重なアウェーゴールを奪った。厳しい状況は変わらないが、30日にホームで迎える第2戦で逆転進出を狙う。

 望みをつなぐ1点だ。後半ロスタイム、太田のクロスが流れてきたボールに松下が右足をフルスイング。「こぼれ球を狙ってた。コースというよりも、思い切りだった」。強烈な弾道でGKの股を抜いた。手倉森監督が「この1点が必ず効いてくる」と言えば、松下も「次は1-0でもいい状況で、ユアスタでやれる」。悔しい敗戦にあって、10人で奪ったゴールが唯一の希望だった。

 この粘りがなければ、まさに絶望的だった。前半36分、警戒していたカウンターであっさりと失点した。後半28分には川崎Fのパトリックと交錯した林がレッドカード。「ボールを先に触ったのは(林)卓人。すねも痛めて、明らかに被害に遭ったのは卓人。いい判定なくして、いいサッカーはできない」。手倉森監督が苦笑交じりに不満を漏らしたように、アンラッキーな側面は否めないが、判定は覆らない。第2戦は守護神抜きでの戦いを強いられることになる。

 4月に4失点の大敗を喫した等々力では、震災からのリーグ再開初戦となった11年4月23日で初めて勝ったのを最後に4連敗となった。しかし、手倉森監督は「今季フロンターレに2敗した借りをユアスタで返す。逆転で4強進出を狙う」と逆に火が付いた様子。この日、2失点に絡んだ鎌田も「ベスト4に上がって、卓人さんともう1度やれる舞台を整えることが、全員の仕事」と誓った。土壇場で挙げた1点を勇気に変え、仲間の無念をホームで晴らす。【亀山泰宏】