清水は鹿児島キャンプ3日目の4日、J2長崎と今季3試合目となる練習試合(45分×3本)を行い、0-5で敗れた。1本目からカルフィン・ヨンアピン(27)と新加入のDFヤコビッチ(28)が組んだセンターバック(CB)の連係不足を突かれて失点を重ねると、攻撃陣も無得点に終わった。主力組中心で臨んだ90分間では0-3と敗戦。現時点での多くの課題を露呈する結果となった。

 清水の現時点での課題が浮き彫りとなった。鹿児島キャンプでの初実戦となったこの日。主力組のCBには、DFヨンアピンと新加入のDFヤコビッチが入った。コンビを組むのは、1月29日のJ2東京V戦、同31日の大田韓国水力原子力戦に続いて3戦目。いまだ連係は取れず、そこから攻守の歯車が狂った。

 序盤からFW大前元紀(24)ら攻撃陣が前線からプレッシャーをかける一方で、チーム全体が連動しない。相手FWに入る縦パスへの対応に遅れ、試合を支配された。35分、43分と立て続けに失点。2本目の35分にも守備ラインの裏を突かれてネットを揺らされた。攻守の要ボランチを務めたMF村松大輔(24)は「距離感が遠いことで相手の前線で起点を作られてしまい、全てで後手になってしまった」と振り返った。

 攻撃でも組み立てとなるビルドアップのテンポが遅く、鍵となる両翼の大前、FW高木俊幸(22)にいい形でボールが入らない。個人技から何度か好機は演出するものの、無得点に終わった。大前も「結果も出ず、良いサッカーもできなかった」と厳しかった。

 唯一の救いは、昨年末に右肩の手術を受けたDF平岡康裕(27)が2本目の38分から実戦復帰したこと。そして、この大敗が開幕まで約1カ月を残したキャンプ中だったこと。大前は「まだチームとしてまとまりがないし、このままじゃリーグ戦で勝てない。この時期で良かったと思えるようにしていかないと」と、語気を強めた。強い危機感を胸に、今日5日から再びトレーニングに励む。【前田和哉】