<J1:仙台1-1甲府>◇第5節◇29日◇ユアスタ
慣れ親しんだ4-4-2のシステムでも、先制しても勝てなかった。仙台はホームで甲府と引き分けた。前半37分にCKからMF角田誠(30)が頭でたたき込んで今季初めてリードを奪ったが、後半32分にFKから失点。今季初出場初先発のFW柳沢敦(36)が起点となって攻撃の形を作ったが、追加点を奪えず3月を勝ちなしで終えた。
1度こじ開けたはずのゴールが、また遠くにかすんだ。公式戦4試合連続無得点で迎えた一戦で、角田が435分ぶりにネットを揺らしたが痛恨の引き分け。故障明けながらフル出場した主将は「勝てなかったので何もないです」と険しい表情でバスに乗り込んだ。
百戦錬磨のベテランが、勝利への道筋を作ったはずだった。序盤から柳沢が相手の間でボールを受ける動きを繰り返し、FWウイルソンやMF梁と連動してゴールに迫る攻撃が復活。得点につながったCKも「がむしゃらに動いて、チームがうまく回るように力をすべて出したかった」という背番号13のドリブル突破で得たチャンスだった。今週の練習から主力組に入った36歳は「パスを出してくれ」と味方に要求。守備でも前線からプレスをかけ、中盤まで戻ってボールを奪うなど背中で鼓舞し続けた。
先行逃げ切りパターンに持ち込んだ柳沢が後半25分にピッチを退くと、流れが一変した。攻撃の起点を失ってシュートを1本も打てず、32分にセットプレーから失点。自陣に9人が引いて守る甲府相手だったとはいえ、キャンプから培ってきたシステムや細かいパス回しを捨ててまで勝利にこだわった一戦を「落とした」と言っていい。アーノルド監督は「残念ながら運が足りなかった」とPKにも見えた微妙な判定を悔やんだが、相手の攻勢を食い止められなかった。ケガの菅井に代わって先発した石川大も負傷退場し、長期離脱となれば右サイドバック不在の状況に陥る。ベテランの奮闘でわずかな光が差し込んだとはいえ、仙台の試練は続く。【鹿野雄太】



