<J1:大宮0-2G大阪>◇第19節◇9日◇NACK

 G大阪が大宮に完勝し、8年ぶりの5連勝を飾った。MF今野泰幸(31)が先制点、FW宇佐美貴史(22)が追加点を奪う理想的な展開。6位から5位に浮上し、この日は台風で試合が中止・順延となった首位鳥栖に暫定ながら勝ち点7差に迫った。

 G大阪の勢いがまったく止まらない。1点リードで迎えた後半6分だった。右サイドをドリブル突破したFWパトリックは前線でボールキープ。その手前でパスを受けた宇佐美が、右足でDF2人を気にもとめず貴重な追加点を挙げた。仲間を手招きし、歓喜の輪の中心で胸を張った。

 「まだまだ今日も取れるシーンがあった。1点で満足せず、2点、3点取って得点ランキングで上位に顔を出して、チームをもっと勝たしていけるようにやっていきたい」

 2試合ぶり今季通算5点目にエースは、笑顔も見せずにコメントした。前半27分にはFKからの混戦でMF今野が押し込み先制していた。W杯中断から再開後は、これで06年4月22日以来となる5連勝。5試合の内訳は15得点1失点という文句のつけようがない数字だ。長谷川監督も満足そうな表情だった。

 「まず関東で勝ててうれしい。昨季は(J2で)1勝しか関東で勝てなかったから。立ち上がりから両チームともいい試合をした。大宮も迫力があったし、何度か危ない場面あったが、お互いいいところを出し合えた。後半も、大宮はここ数試合かならず追い付いてきた。だから集中力を切らすなと言ってきた。その通り集中を切らさずに戦ってくれた結果だと思う」

 さらに指揮官は、GK東口の安定したプレーに「自信に満ちたプレーでDFラインが安定している。どうかなというシーンもきっちりとセーブしてくれた」と付け加えた。

 1試合未消化の首位鳥栖とは暫定で勝ち点7差の5位に浮上した。上位が大混戦、星のつぶし合いに入ったことでG大阪に逆転優勝の可能性はどんどんふくらんできた。最強ガンバが無敵の連勝街道を走る熱い夏となりそうだ。