<J1:仙台0-1鹿島>◇第25節◇23日◇ユアスタ

 鹿島DF昌子源(21)が、日本代表アギーレ監督の眼前で2試合連続の完封勝利に貢献した。仙台FWウイルソン、赤嶺の2トップを体を張って封殺。「1-0で勝ちを拾っていくのは優勝争いをする意味で、良い勝ちだと思う」と安堵(あんど)感を漂わせた。

 J1屈指の高さを誇る相手FW陣に、DF青木との冷静な連係で対応。前半31分に迎えたピンチにはウイルソンのシュートをブロック。「終盤にウイルソンに抜かれたイメージが強くて、抑えた感じがしない」と反省ばかりが口を突いたが、強烈な存在感を示した。

 1点差のジリジリした試合展開でも冷静さを失わなかった。昨年まで所属した元日本代表DF岩政(現タイ1部テロサーサナ)からの「前線が得点できなくて、いらつくと自分のプレーが悪くなる。絶対に怒るな」という教えを守り、冷静な判断で鹿島の堅陣を支えた。

 アギーレ監督は試合後、名前こそ挙げなかったが「興味深い若手が頑張った」と評価した。昌子は「日本代表は外国人と戦うチームなのでJリーグの外国人と互角では選ばれないと思う」と厳しい自己採点をしていたが、メキシコ人指揮官の心にはその名前が刻まれたはずだ。【菅家大輔】