<J1:清水2-1新潟>◇第29節◇22日◇アイスタ

 ホーム日本平に降り注いだ冷たい雨が、歓喜のシャワーに変わった。清水はホームで新潟との接戦を制し、2戦ぶりの勝利を挙げた。

 貴重な先制点をもたらしたのは、生え抜きのMF石毛秀樹(20)だった。前半12分、右CKをニアサイドでDF平岡康裕(28)が後方にそらしたボールにジャンプ。169センチの小さな体を精いっぱい伸ばし、頭でゴールにねじ込んだ。

 しかし、これがJ2降格圏の16位に低迷するチームの現状か-。後半に入ると、流れが一気に変わった。足が止まり、新潟の猛攻を受ける。同27分にはCKから頭で押し込まれ、同点弾を献上した。

 それでも、J1残留に向けて選手が見せた執念が、この暗雲を吹き飛ばした。終了間際の同45分、途中出場のFW村田和哉(26)が粘って右サイドを突破すると、最後は中央でFWノバコビッチ(35)が右足で合わせて勝ち越し点をたたき込んだ。

 劇的な勝利で順位は15位となりJ2降格圏を脱出。ヒーローインタビューで、村田は「残り5試合、人生を懸けて戦います!」と、サポーターに叫んだ。ホームで再び勢いを取り戻す大きな勝ち点3を積んだ。【前田和哉】