<データが語るJリーグ>

 今季の鹿島は、リーグ最強の攻撃力を誇る。60得点は18チーム中トップ。2番目に多いG大阪(56得点)に4ゴールの差をつける。チーム最多10得点のFWダビが10月に負傷離脱したものの、前節22日の川崎F戦ではMF遠藤が自身初のシーズン2桁得点をマーク。ゴールを決めた計15選手のうち、新加入の外国選手を含め10人が「J1シーズンベスト」を達成だ。

 今季は昨季のチーム得点王、FW大迫(19得点)がドイツに移籍し、得点減が心配された。だが、26歳の遠藤の他にMF土居が8点、MF柴崎が5点と、22歳コンビが自身の年間最多記録を更新し、23歳の新人FW赤崎も3点を挙げるなど若手がその穴をカバー。2試合を残して昨季の60点に並び、首位浦和に勝ち点4差で優勝の可能性も残す。

 このまま年間最多得点をキープすれば、97年以来、チーム17年ぶり。最多7度のリーグ優勝を誇る名門としては意外なブランクだが、世代交代が着実に進んでいる今季を象徴するような記録となる。シュート数も486本で、2番目に多い川崎F(389本)におよそ100本の大差をつけてトップ。その圧倒的な攻撃力を武器に奇跡の逆転優勝なるか。【石川秀和】