J2で優勝し、来季からJ1に復帰する湘南が、浦和の元日本代表DF坪井慶介(35)を獲得する方向であることが26日、分かった。湘南は今季、運動量豊富なサッカーで、31勝8分け3敗と圧倒的な強さでJ2初優勝。大倉智社長は来季に向けた補強選手の条件について「今の湘南のサッカーに合って、J1でやれているベテラン選手」と話しており、身体能力が高くスピードのある坪井は、その選手像に合致する。

 今季の湘南は若手中心のメンバー構成で、J2最少の25失点(1試合平均0・595点)で乗り切った。相手を上回るハードワーク、常にゴールに向かう姿勢、球際の闘争心などを徹底して、記録的な快進撃を続けてきた。現時点では日本代表経験者はおらず、06年W杯ドイツ大会に出場や06年リーグ優勝、07年アジア・チャンピオンズリーグ制覇など、経験豊富な坪井は貴重な存在となるはずだ。

 坪井は、DFラインからボールをつなぐ浦和のスタイルにフィットせずリーグ戦出場は1試合にとどまった。だが、スピードを生かしたカバリングなど守備には衰えを感じさせない。今季で浦和との契約は満了となり、クラブスタッフ入りを打診されていたが、現役続行へ強い意欲を見せて移籍先を探している。連日、全体練習が終わった後に、居残りで黙々とランニングをするなど、来季に向けた鍛錬は怠っていない。

 ◆坪井慶介(つぼい・けいすけ)1979年(昭54)9月16日、東京都生まれ。四日市中央工から福岡大をへて02年浦和入り。03年には日本代表に初選出され、06年W杯ドイツ大会など国際Aマッチ40試合出場。Jリーグ通算292試合出場。179センチ、70キロ。