<ACLプレーオフ:柏3-2チョンブリ>◇17日◇柏

 昨季J1で4位の柏はホームでチョンブリ(タイ)に延長戦の末に勝ち、ACL本戦進出を決めた。数多くの好機を逃し続けたが、延長後半10分にCKからFWレアンドロ(30)がヘッドで値千金の決勝点を奪った。柏は1次リーグE組で全北(韓国)山東(中国)ビンズオン(ベトナム)と同組となり、24日に敵地で全北との初戦を迎える。

 柏が何とか勝ちきった。2度のリードを守れず、数多く訪れた決定機を決めきれず、嫌なムードが漂った延長後半10分、FWレアンドロが値千金の決勝点を奪取。殊勲の助っ人は「PK戦になると難しくなると思ったので、落ち着いて決められた」と笑顔で振り返った。

 シュート数では47-7と圧倒。だが、決定機を逃し、肝心なところで失点する-。1月のアジア杯で日本代表が見せた「日本の課題」を再現するかのような一戦となったが、ギリギリのところで踏みとどまり、主将のMF大谷は「まずは勝つことが大事」と話した。

 今季から就任した吉田監督はパスをつなぎ、自分たちで試合をコントロールする戦術をチームに植え付けた。体力強化の練習にもパスを回す要素が加わった。この日も終始ボールを保持。大谷は「やり込んでいけば形になると思う」と手応えを示した。

 欧州挑戦の末、3年半ぶりに柏に復帰したFW大津も延長後半8分から登場。柏のピッチに立つのは11年6月15日の磐田戦以来、1343日ぶり。「応援歌を聞いて、戻ってきたんだな…と感じた」。持ち味の突破力の片りんを見せつけ、会場をわかした。

 ドイツ、オランダで厳しい環境を経験した大津は「ACL?

 もちろん、やるからにはベスト4とかではなく、一番上を目指します。毎試合勝つことが一番大事。勝ちきることが大事だと思う」と言い切った。本戦は24日のアウェー全北戦で幕を開ける。この日、アジア制覇への第1歩が踏み出された。【菅家大輔】