ハンブルガーSVの主将を務めるDF酒井高徳(25)が、チームメートの日系米国人FWボビー・ウッド(24)を「ヤバイ」と絶賛した。

 FW原口元気が所属するヘルタ・ベルリンとの一戦に1-0と勝利した後、酒井は久々の途中出場となった自らのこと、また勝利したチームのこと以上に熱い思いを口にしたのがウッドのことだった。

 「激しいというか、ヤバいですよね。俺は今、一番不安なのは、あいつがちゃんとこれからチームに残ってくれるかなというとこ。はい、心配なんで(笑)。そうっすね、素晴らしいし、たくまし過ぎますね。何で日本はあそこに注目しなかったのかな」

 そのウッドが前半から最前線でボールを収め、チームの攻撃を活性化させた。決勝点は後半32分。ウッドがペナルティーエリア内でのボールキープから後方へ戻し、受けたMFハントが中へ送り、MFエクダルが右足シュートで均衡を破った。16位と低迷するチームは、今季5位と好調なヘルタを下した。

 酒井がべた褒めするウッドは、ハワイ・ホノルル生まれで母は日本人。ただし2013年8月に米国代表でもデビューしており、日本代表入りは不可能だ。2015年7月にブンデスリーガ2部のウニオン・ベルリンに移籍すると、切れ味鋭い動きでシーズン31試合で17ゴールと大活躍した。今季からハンブルガーSVに加入し、18試合で4得点。180センチ、80キロと大柄ではないが、最前線のオールランダーとして、この日もチームの1トップを務めた。

 同じ日本人の親を持つハーフ同士という共通点もあってか、二人は意気投合している様子だ。「いつもあの…梅干キャンディーを買ってきてくれって、言われます(笑)。かわいいやつですよ。あの、何だっけ、梅男だっけ? 男梅? 納豆も好きだって」。前節バイエルン・ミュンヘンに0-8という大敗を喫したショックを打ち消す“快勝”に、キャプテン酒井の表情は晴れやかだった。

(鈴木智貴通信員)