第93回箱根駅伝記者発表と、昨年ベスト5の青学大、東洋大、駒大、早大、東海大の各監督が出席したトークショー「箱根駅伝 監督トークバトル」が10日、都内で開催された。

 各監督には「1番気になる大学は?」と質問が飛び「青学大VS東海大」の構図が鮮明となった。また東洋大と早大は、たまたま今年の夏合宿で数日、バッティングしたことがあり、両校の監督は肌で感じた相手の強さを明かした。

 青学大の原晋監督(49)東海大

 「監督同士も同級生というのもあり、東海大さんは1年生8名…高校のスーパースターがいて、今年勝つと(来年以降も勝って)4連覇になる。私の方が(両角監督より)先に監督をやっている。もう少し苦しんでもらって、もう2、3年待ってほしい」

 東海大の両角速監督(50)青学大

 「この1年間、圧倒的な強さを見せた。(東海大の)学生も、その強さを目指そうと1年間、目標としてきた。(青学大に意識されて)光栄。勝負、何があるか分からないが、甘くはない」

 東洋大の酒井俊幸監督(40)早大

 「青学大が絶対的な安定感あるのは大前提だが、今の勢いがあるのは早大。夏合宿で数日、一緒になった時、いい顔をしていた。こちらが練習をやっている時の見詰める顔や目つき、早大が集団で走る時も顔つきが違った。一緒にいれば分かる。今年は強いなと。全日本大学駅伝も、ベストメンバーでもないのに2位。一般入試で入った学生と推薦生が融合し、努力をして強くなりたい(一般入試生の)意欲もあり(推薦で来て、もともと)強い選手もいる」

 駒大の大八木弘明監督(58)早大

 「全日本大学駅伝の走りを見ても、それ以降を見ても、やってくるんじゃないかなと。ロードレースを見ていても、しっかりと作ってきている感じがしている。手ごわい。早大に勝たないと、3番に入るのも厳しいかと。いろいろな情報がほしい」

 早大の相楽豊監督(36)青学大、東洋大、駒大の3強

 「1番と言いながら、ズルして3つ書きました。青学大は強いのですが、原監督含めてメディアに出ることが多く、情報は取りにいかなくても勝手に入ってくる。昨年は、やはり(青学大)東洋大、駒大の3強の見えない壁を感じた。ハードルが高い。平均タイムとかの数字に表れない、駅伝力がある。壁は本当はないが、思いに駆られてしまう。壁を打ち破りたい。したたかに行かないと上に行けない。気になる。(近年は)4、5、4、5、4位なので、5番だけは絶対に取りません。夏合宿は、どこの大学もいないというのに、東洋さんがいてビックリした。学生には『雰囲気だけは絶対に負けるな』と言った。酒井さんの話を聞くと、僕の指示が通ったと思う」

 絶対王者・青学大以外の上位校の情報収集に、各監督ともに重きを置いている様子だった。その中、最後にあいさつした青学大の原監督は「手の届くところに来ている…実現したい。サンキュー大作戦、サンキュー」と声を大にして宣言。箱根駅伝3連覇と10月の出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝に続く、大学駅伝3冠制覇を、あらためて誓った。【村上幸将】