20年東京五輪で男女マラソンの代表選考方式がガラッと変わる。日本陸連が19年秋以降に開催する選考レースで、男女上位各2人を代表に決める新方式を導入する方向で調整していることが29日、分かった。「決勝」レースには、今夏から19年春まで「予選」となる主要大会で上位成績を出した選手が進む2段階選考となる。従来は異なるレースの成績を比較する方式で議論を呼んだが、選考の透明化が期待できそうだ。

 マラソンの五輪代表の選考が大きく変わる。19年秋以降に開催される選考大会で、男女とも上位2人に入ればタイムに関係なく東京五輪の代表になる新方式導入が検討されている。東京五輪の出場枠は男女とも最大3の見込みで、その2枠が決まる頂上決戦。選考大会の開催地などは今後調整されるが、地の利を生かすため、都内か本番コースでのレースも視野に入れているという。4月中旬にも開く臨時理事会で決まる。

 この「決勝」の出場権を得るには、今夏から19年春までの指定大会で日本陸連が求めるタイム、順位をクリアする必要がある。北海道マラソンのほか男子が福岡国際、東京、びわ湖毎日、別府大分、女子はさいたま国際、大阪国際、名古屋ウィメンズが対象。8月の世界選手権や18年アジア大会で上位に入った場合も出場権を得られる。これらは「予選」の位置づけとなり、新方式は2段階選考。1度好走しただけでは五輪で活躍することは難しいと判断し、本番前に2度は好成績を残すことを求める。

 従来は複数ある選考会の成績を比較していた。気象条件、相手の実力など条件が異なる中で「総合的に勘案」と曖昧な基準の中で選考され、混乱や物議を醸すこともあった。この選考方法が変われば、選考の透明化が期待できる。

 「決勝」で2枠を決め、残る1枠は19年秋から20年春までの国内指定大会で日本陸連の設定記録を突破した中で、最高のタイムを出した選手に決める。3枠目の争いで設定記録の突破者が出なかった場合は、「決勝」の3位が代表。世界レベルの設定記録をクリアして「決勝」への出場権を獲得した選手を優遇することも検討しているという。