<陸上:日本選手権>◇最終日◇12日◇埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場

 大会も終わりに近づいた会場を沸かせたのが、女子5000メートルを制した絹川愛(21=ミズノ)だ。新谷仁美(23)との競り合いを制し、15分9秒96でフィニッシュ。ここまで世界陸上B標準(15分25秒)も切れなかったのが、一気にA標準(15分14秒)を突破し、代表キップを手にした。

 仙台育英高時代から「天才少女」と呼ばれながら、北京五輪は選考レースで故障し断念。その後もケガに悩まされ、先日は高校の先輩で北京五輪男子マラソン金メダリストのワンジルさんが急死したばかり。「今まで地獄を見てきましたが、やっと天国じゃないけど地上に出てきました」と喜びを表現。「私を引っ張ってくれた渡辺監督のおかげ。ワンジル先輩の魂も受け継ぎました」と喜びを口にした。