陸上の世界選手権(8月27日開幕・大邱=韓国)に出場する女子短距離陣の強化合宿が26日、北海道函館市の千代台公園陸上競技場で始まり、エース福島千里(23=北海道ハイテクAC)は400メートルリレーで「決勝に行けるよう頑張りたい」と笑顔で意気込みを語った。

 日本の生命線となるバトンパスの練習は「数センチ単位のデリケートな部分があり集中力を高めるため」(日本陸連)と、報道陣に異例の非公開で実施。今季から確実性や効率を重視して男子と同様に、次走者の手のひらに下からバトンを渡すアンダーハンドパスを取り入れた。リーダー格になった福島は「うまくいく確率が上がった」と手応えを口にした。

 バトンの受け渡しゾーンの計測タイムから目標値を算出し、決勝進出ラインを5月にマークした43秒39の日本記録を上回る43秒30に設定した。走順はまだ流動的だが、成長株の市川華菜(中京大)は「プラス思考の福島さんに励まされ、チームにまとまりが生まれてきた」と話した。

 27日でロンドン五輪まであと1年。福島は「ロンドンのためにも、まずは目の前の世界選手権に集中したい。五輪はそれから」と抱負を語り、日本記録を持つ100メートル、200メートルの個人種目に向けても「1本でも多く走れるよう思い切りいきたい」と言葉に力を込めた。