陸上のダイヤモンドリーグ(※)第3戦のゴールデンガラが31日、ローマのオリンピックスタジアムで行われる。100メートルに世界記録保持者のウサイン・ボルト(25=ジャマイカ)が出場する。

 ボルトは今季3戦目。今月5日の地元ジャマイカのレースでは9秒82の今季世界最高と好スタートを切ったが、25日のチェコ・オストラバの試合では10秒04と平凡な記録に終わった。優勝したものの「いつものような爆発力がなかった。どうしてなのかわからない」とレース後は首を傾げた。

 だが、冷静に見ればそこまで悲観する結果でもない。向かい風が0・8メートルと強く、気温も肌寒く短距離には向かないコンディションだったからだ。

 ボルト自身、26日にローマ入りしたときには気持ちを切り換えていた。

 「僕はOKだよ。オストラバもこれで終わりという記録でもない。ジャマイカからのロングトラベルの後だったし、睡眠時間も少なかった」

 ライバルとなるのは前世界記録保持者のアサファ・パウエル(29=ジャマイカ)、白人世界最速のクリストフ・ルメートル(21=フランス)、オストラバでもボルトに先行したキム・コリンズ(36=セントクリストファーネービス)ら。

 五輪2連覇に照準を合わせているボルトとしては、これらのライバル選手たちに勝ったうえで、9秒7台の今季世界最高を出したいところだ。

 ※ダイヤモンドリーグはIAAF(国際陸上競技連盟)が主催する最高カテゴリーの競技会シリーズ。今季はドーハ大会を皮切りに9月のブリュッセル大会まで全14戦が開催される。各大会の種目別優勝賞金は1万ドル(2位6000ドル…8位1000ドル)。各大会のポイント合計で争われる年間優勝者には4万ドルとダイヤモンド入りトロフィーが贈呈される。出場者はトップ選手に厳選され、ほとんどの種目が予選なしの一発決勝。緊張感あるレースが次々に行われる。また、オリンピックや世界陸上のように1国3人という出場人数の制限がない。ジャマイカ、アメリカ勢が揃う短距離種目や、アフリカ勢が揃う中・長距離種目などは、オリンピックや世界陸上よりも激しい戦いになる。