【6月前半の陸上競技展望・海外編】

 海外では日本選手権と同時期にアジアジュニア選手権が行われる。ダイヤモンドリーグは舞台をアメリカに移して2試合、ヨーロッパでも1試合と計3大会が行われる。

 アジアジュニアの代表はまだ発表されていないが、インターハイ地区大会の前週開催のため高校生は派遣しない方針。大学1、2年生中心の選手団になる(今年の12月31日時点で20歳に満たない選手がジュニア資格を持つ)。

 レベルがどうなるか予測するのが難しいが、男子110メートルハードルの高畠匠(東京学芸大1年)や400メートルハードルの岡田壮平(法大2年)らが期待されている。

 女子では久馬萌・悠(ともに筑波大1年)の双子姉妹が好調で代表入りしそう。

 男子4×100メートルリレーは5月に高校生4選手で39秒16のジュニア日本新、今季ジュニア世界最高タイムを出している。ケンブリッッジ飛鳥(日大1年)、梨本真輝(大東大1年)ら大学生にも好素材が揃っている。優勝は十分に狙える。

 開催国スリランカの事情で5月下旬に一度は開催中止が通達されたが、数日後には撤回された。この様子では受け入れ態勢に不備があったり、大会運営に支障が出ることも想定しておく必要がありそうだ。

 しかし、海外の大会に混乱は付き物。予想外の事態に対応できる力を若いうちにつけておくのも、その後の競技人生のプラスとなる。

 今大会で勢いをつけ、7月の世界ジュニア(スペイン・バルセロナ開催)で勝負をする。そのステップを踏んだ選手が4年後のリオデジャネイロ五輪の戦力となるだろう。

 ダイヤモンドリーグではユージーン大会の男子1万メートルが興味深いレースになった。ケニアのロンドン五輪代表選考レースに指定され、持ち記録や予備レースの結果からケニア陸連が指名した15人が出場する。26分台選手が10人もいて、五輪本番並のハイレベルのレースとなりそうだ。

 日本の実業団に在籍するポール・タヌイ(21=九電工)とビダン・カロキ(21=エスビー食品)もエントリーしている。【6月前半の主な陸上競技大会】6月2日:プレフォンテインクラシック=ダイヤモンドリーグ第4戦(アメリカ・ユージーン)6月7日:ビスレットゲーム=ダイヤモンドリーグ第5戦(ノルウェー・オスロ)6月9日:アディダスグランプリ=ダイヤモンドリーグ第6戦(アメリカ・ニューヨークシティ)6月9~12日:アジアジュニア選手権(スリランカ・コロンボ)