<陸上:ダイヤモンドリーグ第4戦、プレフォンテーン・クラシック>◇2日◇米オレゴン州ユージン

 400メートルの女王の座は、2人の世界陸上金メダリストの対決となった。昨年のテグ世界陸上優勝のアマントル・モントショー(28=ボツワナ)が、200メートルでリードを奪うと、ラストの直線で驚異的な追い上げを見せたのが、09年ベルリン大会金メダルのサンヤ・リチャーズ・ロス(27=アメリカ)だ。リチャーズは、残り50メートル付近でモントショーの背中をつかまえると一気に逆転、49秒39の今季世界最高記録で優勝した。モントショーも49秒62の好タイムだった。

 リチャーズはベルリン世界陸上後に低迷した。10年は51秒82と記録が伸びず、昨年のテグ世界陸上では7位と大敗した。だが五輪イヤーの今年は、3月の世界室内で優勝するなど本来の輝きを取り戻している。「かつてないほど良い状態で来ているし、トレーニングでもそれがわかります。今日49秒39で走れたから良い状態をさらに続けていける」。一時期のどん底からはい上がってきたリチャーズは「ハッピー」を繰り返して喜びを体現していた。