<陸上:日本学生対校選手権>◇最終日◇12日◇東京・国立競技場

 男子400メートル障害は野沢啓佑(早大3年)が49秒59の好記録で優勝。ロンドン五輪代表だった舘野哲也(中大3年)は49秒89で2位だった。「トップ選手が出ているなかでレースを組み立て、勝つことができたのは収穫です」と、端正な顔をほころばせた野沢。舘野とは同学年で勝ったり負けたりを繰り返してきた。

 自己記録も抜いたり抜かれたり。日本選手権の予選で49秒64をマークした野沢を、舘野が翌日の準決勝で49秒49を出して抜き返した。そのタイムに今大会準決勝で野沢が並んだ。

 2位の舘野は「今日は自分のレースができたので完敗です」と潔く認めた。「でも、学生でもレベルが高い試合ができるのはうれしいこと。ロンドン五輪で視野が広がったので、来年の世界陸上、4年後のリオ五輪と見据えてやっていく」と意欲を見せた。

 野沢も「今回は最低でも(五輪準決勝進出レベルの)49秒2を狙っていたので、ちょっと悔しいです。今後は48秒台を」と目標を高く持つ。日本選手権で48秒41を出した岸本鷹幸(法大4年)がリードしている種目だが、続く人材も育っている。