第55回関西実業団対抗駅伝が11月18日、和歌山県田辺市の7区間80・45キロのコースに15チームが参加して行われる。上位5チームがニューイヤー駅伝(全日本実業団対抗駅伝)へ駒を進める。注目はロンドン五輪マラソンで40位に終わった山本亮(28=佐川急便)の復調ぶりと、僅差となることが多い優勝争いだ。

 山本の五輪での敗因は「選考会のびわ湖マラソン前の練習と比べてしまったこと。距離走の感覚を重視する選手ですが、そこが上手くいかずに自信のなさにつながってしまった」と佐川急便の中野剛監督(39)は話す。

 9月の全日本実業団1万メートルは「走り始めるきっかけ」(同監督)ということで23位だったが、10月の記録会5000メートルは平凡なタイムだが出場した組のトップを取った。そこからのトレーニングは順調で「今はここ数年で一番良い状態です」と中野監督に言わせるまで復調した。

 山本は最長区間の5区(16・0キロ)への起用が濃厚。一昨年は優勝へだめ押しの区間賞、昨年は区間2位だったが3位からトップに躍り出た。

 「2年前のようにトップで山本に渡すのが理想ですが、1分差くらいまでは山本で取り返せる」

 中野監督の期待にエースが応えられれば、佐川急便が3連勝に大きく近づく。

 佐川急便に対抗するのは前回3位の大塚製薬か。昨年はエースの松岡佑起(26)が5区で山本を抑えて区間賞。今年は1万メートルで自身初の27分台をマークした。5区なら山本と再度激突する。

 3000メートル障害で昨年の世界陸上候補だった松本葵(25)が、9月に5000メートルで自己新。駅伝でも戦力として期待できる。井川重史(28)もマラソンで堅実な走りを見せている。

 大塚製薬が優勝した2009年、佐川急便が優勝した昨年と、1、2位の差が1分前後だった。今年も接戦となりそうな雰囲気だ。