<陸上:東日本実業団選手権>◇第1日◇18日◇茨城・笠松運動公園陸上競技場

 男子400メートルは地元茨城県出身の石塚祐輔(25=ミズノ)が46秒43で優勝。先行した廣瀬英行(23=富士通)をフィニッシュ直前で逆転した。「前半で離されて遠いかもしれないと感じましたが、200メートルからしっかり走ろうと切り換えました。以前は200から300メートルまでは休む部分でしたが、今年はそこを一段階レベルを上げられたと思います。それができたので今後につながると思う」

 石塚は昨年の日本選手権決勝でフライング失格を犯し、4×400メートルリレー代表が有力視されていたロンドン五輪を逃した。「1カ月くらいは目をつぶると思い出してしまってつらかったのですが、応援してくれる方など周囲の人に恵まれて、再スタートを切ることができました」

 冬の陸連合宿では積極的に先頭に立って練習し、近年少なくなっていたスピード重視のメニューにも取り組み直した。その結果「前半200メートルの通過が同じタイムでも、以前より楽に行けるようになった」と実感できている。

 その成果が今月5日の静岡国際で45秒87と、4年ぶりの自己記録更新となって現れた。世界陸上B標準にも0・27秒と迫っている。「今日も優勝が当たり前。周りにもそう思わせないと、静岡が偶然ととられてしまいます。勝つことで僕自身ステップアップできるし、日本の4×400メートルリレーが強くなることにもつながります」

 ロンドン五輪5位入賞の男子4×100メートルリレーと比べ、4×400メートルリレーは2004年アテネ五輪4位が最後の入賞。“リレー復活”のかぎを握る男が復活してきた。