<陸上:東日本実業団選手権>◇最終日◇19日◇茨城・笠松運動公園陸上競技場◇シニア男子1500メートル(35歳以上に参加資格)

 マラソン前日本記録(2時間6分51秒)保持者の藤田敦史(36=富士通)が4分19秒75で優勝した。

 「優勝の感想というのは特になくて、自分のような(知名度のある)人間がシニアのレースに出ることで大会を盛り上げたかった。陸上界に貢献できればいいかな、と思って出場しました」

 3月のびわ湖マラソン、現役最後のレースとなった4月の長野マラソンと、連続して途中棄権した。レースを完走したのは昨年11月の東日本実業団駅伝以来。今回も練習できたのが1週間前からで、本来の強気の走りは影を潜めた。終始2番手を走ったレース展開を指摘されると「ちょっとせこいレースでしたね」と苦笑いを見せた。

 現在は富士通のコーチとして後進の指導に当たる。「気持ちも切り換えられています」と現役に未練はない。表彰を待つ間もストップウォッチを握りしめ、時にはトラックに走り寄って後輩選手に檄を飛ばしていた。