<陸上:第82回日本学生陸上競技対校選手権大会>◇第1日◇6日◇東京・国立競技場

 男子4×400メートルリレー唯一の学生選手として世界陸上に派遣された山崎謙吾(21=日大)が、モスクワで覚悟を決めて帰国した。男子400メートルに出場した山崎は46秒65で初優勝。300メートルでユニバーシアード代表だった木村淳(中大4年)に前に出られたが、残り60メートル付近で抜き返した。「前半の200メートルを力を使わずにスムーズに走れたので、木村さんが来たときにスイッチを入れられました」

 世界陸上のリレーは良いところなく予選で敗退した。400メートルでの標準記録突破者は日本選手権優勝の金丸祐三(25=大塚製薬)1人だけ。期待を込めてのリレー派遣だったが応えられなかった。

 入賞の常連となっている男子4×100メートルリレーとは対照的に、2004年のアテネ五輪を最後に入賞がない。短距離関係者の間では、今回のような派遣はもうできないという意見も出ていた。「それは僕らも聞いていますし、標準記録を破らないと世界では戦えないとモスクワで実感しました。今後は個人で3人くらい突破者がいないと派遣はないと思っていますし、それができればリレーでも決勝に行けると思います」

 今後はチームの垣根を越えて、代表レベルの選手が合同練習するプランもある。五輪で4位になったこともある4×400メートルリレー復活へ、クールな表情の山崎が燃えている。