<東京国体:陸上>◇7日◇味の素スタジアム

 女子400メートルは成年と少年の逆転現象が起こってしまった。

 少年Aは杉浦はる香(浜松市立高3年、静岡)が53秒09の大会新で優勝した。今年の高校生は52秒52の日本歴代2位をマークした杉浦、その杉浦をインターハイで破った大木彩夏(新島学園高3年、群馬)、今大会予選で53秒58で走った青山聖佳(松江商高2年、島根)と人材がそろった。今大会は4位までが53秒台という激戦だった。

 それに対し成年の千葉麻美(28=東邦銀行、福島)の優勝記録は54秒14。同じ場所でスタート時間も20分しか違わないので言い訳はできない。

 その点を指摘されると杉浦は、ぼやきと前向きな言葉の2つを発した。「この学年に生まれなかったらインターハイも楽勝で勝てて、こんな苦しい思いをしなくてもよかった。でも、同世代が速いからこそ上を目指せます。6月の日本選手権はトップ選手の皆さんを追って走ることで52秒52を出せました。先輩たちと走るとタイムが伸びると思います」

 日本記録(51秒75)保持者の千葉のレースは、300メートルまでは後続を大きく引き離していた。「52秒台のペースで走れていましたが、疲れもあってラスト100メートルが走れませんでした」。最後に失速したが、ここまでハイペースを刻める高校生はいない。

 2011年に出産して復帰して2シーズン目。「筋力もスピードも出産前に近づいています。あとは体の使い方を思い出せれば。ここ数年と違って冬季練習もしっかりやれる手応えがあります」。来年は“ママの強さ”を見せる。