南アフリカの自宅で恋人(当時29)を射殺したとして、殺人罪などに問われた両脚義足の五輪ランナー、オスカー・ピストリウス被告(27=保釈中)は14日、首都プレトリアの高裁での公判で「彼女に向けて撃ったんじゃない」と涙声で証言し、あらためて殺意を否定した。
欧米メディアは7日に始まった被告人質問を連日、大きく取り上げ、報道は過熱。専門家は「被告を裁くのはメディアではない」とくぎを刺す。
「これはエンターテインメントではありません」。裁判官は10日、記憶の曖昧さを訴えるピストリウス被告の証言を笑った検事を強く非難。裁判がテレビやインターネットで生中継されていることを意識して「自制するように」と訴えた。
ピストリウス被告は昨年2月、自宅のトイレに向かってドア越しに発砲し、中にいた恋人が死亡した。検察側は口論の末に射殺したと主張する一方、被告側は強盗と勘違いしたと否認している。
メディア法に詳しい南アのコメンテーター、エマ・サドレアさんは「これほど報道された裁判は過去にない。他社に後れを取りたくないとの意識もあるのだろう。メディアは予断を持たず、冷静な報道に努めるべきだ」と指摘した。
公判は5月16日まで続く予定。


