<高校総体:陸上>◇1日◇沖縄県総合運動公園陸上競技場◇女子200メートル決勝

 荏田(神奈川)・長谷川美里(3年)が優勝し、400メートルと合わせて2冠を達成した。200、400メートルの2種目制覇は、03年の千葉(旧姓丹野)麻美(郡山東-福島大-ナチュリル)以来史上6人目で、うち4人はその後の日本記録保持者になった。将来、世界で戦える逸材が出現した。

 長谷川は決勝を走る喜びで、不思議とリラックスできていた。スタートで出遅れたが焦らず、前半のコーナーは抑えて走り、ラストの100メートルにかけた。ほかの選手とは、最後の馬力が違った。

 長谷川

 残り50から60メートルで追いつける範囲だったので、力まず走ることができた。冷静に後ろから抜くというプラン通り。ラスト100への切り替えも、良かった。(400メートルの決勝から)中2日あったので、リレー選手と比べたら楽だなと思ってた。

 3日前に専門外の400メートルを制した後、後輩らから30通をこえる祝福メールが届き、嫌でも2冠を意識するようになった。本職の200メートルへ集中したかったが、今までにない経験に気持ちの整理ができなかった。そんな時、酒井祐輔監督からアドバイスをもらった。「狙っていくのは200メートルだ」。同監督の言葉で気持ちを奮い立たせ、レースに集中することができた。

 後半に粘りを生むために取り組んだ400メートルの挑戦が強さを生んだ。

 長谷川

 走りが400をやって大きくなった。それが200につながったと思います。

 インターハイで女子200、400メートルの2種目を制したのは過去5人で、うち4人がその後、日本記録保持者へ成長した。そんな経緯もあって、長谷川に大きな期待がかかる。「進学したいですけど、目標はこれからですね」。高校新女王が、日本のトップを意識し始めた。【谷口輝博】