「怪盗アラタ」が下町に出没する!?

 東京マラソンで日本人最高の2位に入り、ロンドン五輪代表を確実にした藤原新(30=東京陸協)が27日、珍プランを披露した。快走から一夜明け、東京都内で「次への青写真をイメージしています」とニッコリ。夢舞台へ思いをはせながら「(東京都北区の)十条の下町でも走りましょうか。(黒いウエアで)泥棒に間違えられるかもしれませんが」と笑った。

 五輪コースは「障害物走」のように難所だらけだ。藤原が「石畳が多いし路地裏を走る」と言うように、アーケード街のレンガ道や道幅5メートルの場所もある。頭に浮かんだのは、拠点にする国立スポーツ科学センター(JISS)付近の街並み。通常の荒川河川敷だけでなく、商店街や狭い道をスイスイ進んで対応する。十条銀座商店街事務局の榎本龍治さんも「雨の日も走れますし早朝はランナーがいますよ」と歓迎した。

 故郷長崎「福砂屋」のカステラがパワー源として知られた。同社には、この日朝から「どこで買える?」などの問い合わせが殺到したという。ファンの心を盗んだ無職のニューヒーローは「より速いペースでより長く。これに尽きる」と、五輪のメダル取りへ力を込めた。【近間康隆】

 ◆ロンドン五輪のマラソンルート

 バッキンガム宮殿前をスタートし、ビッグベンなどの観光名所を通る。序盤は平地で広い車道を走るが、20キロ手前から坂道やS字コーナーが登場。ギルドホール脇は道幅5メートルの路地裏で、リーデンホール・マーケットは幅7メートルの石畳でガタガタ。あちこちに路面を盛り上げたスピードバンパーもある。4月のロンドンマラソンとは別コース。昨年10月にタワーブリッジ発、五輪スタジアム着のコースから変更された。