日本陸連は25日、東京都内で世界陸上(8月10日開幕、モスクワ)のマラソンと競歩の代表を発表した。

 男子マラソンは、川内優輝(26=埼玉県庁)、前田和浩(32=九電工)、堀端宏行(26=旭化成)、中本健太郎(30=安川電機)、藤原正和(32=ホンダ)の5人が選ばれた。

 ドヤ顔が本気モード突入を示していた。男子で2大会連続代表の川内は、定時制事務職員として勤務する埼玉・春日部高で会見。「身が引き締まる思いで、しっかりと責務を果たさなければ。前回果たせなかった入賞で6位を目指します」。カメラマンが要求するポーズにも表情を崩さなかった。

 これまで刺激的な発言を向けていた実業団選手に対しては「いいメンバーがそろった」と“共闘”を呼びかけた。「堀端君は2年前の団体銀の仲間。藤原さんは10年に自分が飛躍するきっかけとなった東京で優勝して」…。また川内を「実業団をばかにするような発言をする」と表した前田にも「闘志を燃やす人。ボクも相乗効果で燃やしたい」。目標も「五輪で入賞したから」と中本の6位に設定した。

 「一時休戦」は他にも。かねて「あの人の記録を歴代20傑から外したい」と話していた、瀬古氏が五輪不出場となったモスクワでのレース。「宗さんや瀬古さんが悔しい思いをされた。先人の悔しさを晴らさないといけない」とまで話した。本気印の公務員ランナーが、すごみを増してモスクワで飛躍する。【渡辺佳彦】