日本が誇るツートップが一発回答だ!

 陸上のモスクワ世界選手権(8月10日開幕)に出場する男子短距離陣が21日、都内で練習を公開。男子400メートルリレーのバトンパス練習で、自己ベスト10秒01で1走の桐生祥秀(よしひで、17=京都・洛南高3年)から、同10秒07で2走の山県亮太(21=慶大3年)へ、スムーズにバトンが渡された。

 男子短距離部の土江寛裕副部長が「日本のツートップ」と表した2人に、この日の練習で課したのは「3秒8前後」の数字。バトン受け渡しのテークオーバーゾーン(20メートル)と、その前後各10メートルを合わせた40メートル区間を、3秒8台前後で抜けることだ。3つの中継点でこの区間を3秒75で走れば数字上、37秒台が可能とするデータがある。

 2人は3本走り、足慣らしの1本目は3秒97。「さあ本番」と始めた2本目が3秒88、3秒89。コンビ結成初始動で満点回答をたたきだし、伊東浩司部長も「桐生君は爆発力がある。勝負のポイントとなる2走も山県君に安心して任せられる」と高評価した。

 しかも桐生は洛南高でオーバーハンドパスしか経験がなく、日本代表のお家芸ともいえるアンダーハンドパスは初体験。「3本目はうまく渡せたけど(渡す時にかける)声のタイミングがまだまだ」と、今後は洛南高の練習でアンダーを練習する。一方の山県は「ボクと桐生の所はリードをとらないといけない区間。しっかり勢いを持ってきてほしい」とエール。今後の練習は7月下旬とモスクワ入り後だけ。そんな限られた時間の中で精度を上げる。対応能力の高いツートップが、世界選手権初のメダルに導く。