“川内親分”が本気モードに突入した。陸上の世界選手権(8月10日開幕、モスクワ)男子マラソン代表の川内優輝(26=埼玉県庁)が14日、山形・蔵王で12日から3泊4日で行っている合宿を公開。普段のレースでは見せない「親分肌」の一面を披露した。

 合宿に参加したのは、東京・駒沢公園での練習仲間ら、いわば無名の市民ランナー約10人。長野、茨城など各地からメールを通じて集まった。「2月の別大以降、僕らにとっては雲の上の存在になったのに、気さくに声をかけてくれた」。あるランナーは感無量の面持ちで話した。

 練習開始時と終了時には輪になり川内があいさつ。母美加さん(48)が給水係として100円ショップで購入したボトルを手渡すなど手作りの「チーム川内」が、一丸となって川内親分を支えた。2・5キロのクロカンコース12周を走り「普通の市民ランナーと一緒に練習して自分も頑張らないとと刺激になります」と川内もパワーをもらった。

 一方で期待の?

 露天風呂入浴シーン撮影や、名産サクランボの一かじりシーンのリクエストを「今回は勘弁を」と、珍しくやんわり断った。「仲間に支えられて質の高い練習ができています。目標の6位入賞に向けて、いい感じで臨めそうです」。本気モードにスイッチが入り、臨戦態勢は整った。【渡辺佳彦】