<スーパーGT:開幕戦>◇決勝◇22日◇岡山・国際サーキット(1周3・703キロ×82周)

 エンジン出力500馬力で争うGT500クラスで、近藤真彦監督(44)率いるKONDOのジョアンパウロ・デ・オリベイラ(ブラジル)荒聖治組(日産GTR)が国内初優勝、通算3勝目を挙げた。今季からX-JAPANのYOSHIKIがプロデューサーに就任したROCKSTAR童夢の道上、小暮組(ホンダNSX)が2位に入った。

 2位に21秒645差の圧勝に、近藤監督は次々とチームスタッフに抱きつき喜んだ。「今はまだ実感がわかないけどうれしいです。今日は雨に助けられた」と興奮気味にまくし立てた。

 天気が崩れることを想定し、雨用タイヤを選択。スタート時は小降りだったが、すぐに強い雨に変わった。他車がマシンコントロールに苦しむ中、ドライバーのオリベイラが「コースでの居心地がよかった」と振り返るほど、チームの作戦勝ちだった。

 07、08年にマレーシアで行われたGT500クラスを制したが、国内初優勝の味は格別。近藤監督は「開幕戦と雨を制した特別な価値のある勝利。国内勝利が今年の目標でした」。世界の経済危機の影響は日本でも避けられず、近藤監督自身も昨年まで9年間続け、1勝を挙げたフォーミュラニッポンへの参戦を休止せざるを得なかった。危機感がチームに一体感を生んでの勝利に「スーパーGTに専念する選択は間違ってなかった」と話した。

 2位にはYOSHIKIのチームが入り、芸能人ワンツーが実現した。今年2月、「一般社会の認知度を飛躍的に高めるため」というチームからの要請を受けてプロデューサーに就任したYOSHIKIは、4月の鈴鹿での第2戦には来場する予定という。著名な2人のチームの活躍が、厳しい状況が続く自動車レース界を盛り上げていく。