ラグビー日本代表のFB五郎丸歩(29)が、オーストラリアに本拠地を置く「スーパーラグビー」のレッズに加入することが4日、所属するヤマハ発動機から発表された。同社に在籍したまま世界最高峰リーグに挑戦する。この日、静岡・磐田市内で行われた練習では、異例の「鉄のカーテン」が引かれた。見学者がかつてないほど増え、実戦形式の練習中に撮影を禁止する事態に。人気沸騰で思わぬ余波が広がっている。

 ついに世界最高峰リーグへの挑戦が正式に決まった。ヤマハ発動機が五郎丸のレッズ加入を発表。今日5日、静岡・浜松市内のホテルで会見を開き、本人が自らの言葉で経緯を説明する。この日の練習後「明日会見をするので」と多くを語らなかったが、レッズの公式ホームページに一足早く「新しいチームメートに会い、戦いに参加することを楽しみにしている」とコメントを寄せた。

 2人の指揮官が背中を押す。早大時代も指導したチームの清宮監督は「やれるからオファーを出したのだろう。いいハッピーストーリーになればいい」と期待。同日に離日した日本代表のジョーンズ前ヘッドコーチも「五郎丸にとってはすばらしいこと。日本ラグビーがまた1つ成し遂げたことの表れ」と称賛した。

 五郎丸のいるグラウンドでは異変が起きていた。軽めの連係確認を終え、本格的な実戦練習に入る前、アナウンスが入った。「次の練習では、ビデオ、カメラともに一切の撮影をお控えください」。ラグビーの練習では異例の規制だった。

 ファンが動画サイトに投稿し、戦術が漏れるのを防ぐための措置だ。以前は数人程度だった見学者が、この日は約150人に増加。区別がつかないという理由で報道陣も撮影を禁じられた。W杯イングランド大会での活躍を機に、レッズ入りまで上り詰めたヒーローの人気ぶりは、思わぬ影響ももたらした。

 それでもおなじみの五郎丸ポーズはセーフだった。規制は実戦練習に限定。その後にキック練習を始めると、観客はその瞬間を収めようと一斉にカメラを構えた。関係者によれば今後はビブスなどで撮影可否を判断したいという。トップリーグ開幕も迫ってきた。五郎丸は「キックの調子はいい。チームも順調によくなっている。トップリーグの開幕が楽しみ」と意欲十分。周囲が騒がしくても、ラグビーへの熱意は変わらなかった。【岡崎悠利】

 ◆クイーンズランド・レッズ オーストラリア・クイーンズランド州ブリスベンのサンコープ・スタジアムを本拠地とするラグビークラブ。スーパー12が始まり、クラブと選手が契約する形の現在のレッズが誕生した96年が創設年とされる。