全日本女王の宮原知子(17=関大高)がショートプログラム、フリーとも1位となる合計203・11点で完全優勝を果たし、初のファイナル行きを決めた。

 最後のジャンプを無事に終えて、喜びがわいてきた。宮原は「いいジャンプが跳べた。何点でもいい」と体いっぱいで演じた。ほぼ完璧な演技で合計203・11点で自己記録を更新。GPシリーズ初優勝、ファイナル初出場も決めた。「とてもうれしい。信じられない感じ」と笑った。

 浅田不在の昨季、全日本選手権で初優勝を果たした。そしてこの日は休養から復帰した浅田に勝った。「今日は初めて浅田選手よりも上の順位でしたが、浅田選手の今までの経歴を考えると、まだまだ自分は始まったばかり。頑張らないといけない」と口にした。

 昨年11月から小塚のトレーナーを務める出水慎一氏(36)に週1回、筋力アップの指導を受けるようになった。「ジャンプを高く跳びたい。トリプルアクセルを跳びたい」。武器である連続3回転にプラスして加え、浅田の代名詞といえる大技にチャレンジする考え。出水氏は「今季はジャンプ力の強化です。平昌に向けてやっている形です」。

 初優勝を手にして、次はバルセロナに向かう。17歳は「今日以上の演技ができるように、実力が出せるようにしたい」と目を輝かせていた。【益田一弘】

 ◆宮原知子(みやはら・さとこ)1998年(平10)3月26日、京都府生まれ。両親は医者で、4~7歳まで米ヒューストンで過ごす。12年全日本選手権3位で注目されたが、13年は4位でソチ五輪代表を逃す。昨季はGPシリーズのスケートカナダとNHK杯で3位に入り、全日本選手権初優勝。初出場の世界選手権で銀メダル獲得。来春は関大に進学予定。150センチ、37キロ。