昨年3位の14歳、樋口新葉(東京・開智日本橋学園中)が2位に食い込んだ。連続ジャンプの着氷でやや傾いたくらいでほぼ完璧。映画「マスク・オブ・ゾロ」の曲に合わせ、剣を突き刺すポーズで滑り終えると、力強いガッツポーズが飛び出した。フリーでの120点超えは自身初。「今季の中で一番いい演技。思い切り滑りきることができた」と晴れやかな表情だった。

 今季序盤は疲労骨折手前の腰痛を発症し、思うように練習が積めず。ジュニアグランプリファイナル出場を逃すと、悔し涙を流した。だが、11月の全日本ジュニア選手権でSP、フリーともに会心の演技を見せ、連覇。再び自信を取り戻した。この1カ月、チアリーディング部に所属する友人に笑顔の見せ方を学ぶなど課題だった表現力を磨き臨んだ大会。明るい曲のSPでははじける笑顔、剣士になりきったフリーでは挑戦的な目と、多彩な表情を見せた。

 年齢制限により、世界選手権の出場資格は来季までない。来年3月は前回3位だった世界ジュニア選手権に再び挑む。「海外の選手は大きいので、自分を大きく見せるような演技がしたい」とさらに高みを見つめた。【高場泉穂】