男子フリースタイル57キロ級初優勝の中村倫也(21=専大)は「東京への再スタートで、アピールできた」と満足そうに話した。

 決勝では14年世界5位で、昨年も世界選手権代表の高橋侑希(22=ALSOK)にテクニカルフォール勝ち。得意のアンクルホールドでポイントを重ね、わずか1分49秒で試合を決めた。

 今月の東日本学生リーグでは専大の主将として活躍した。リオ五輪出場を決めた樋口黎(20=日体大)にも勝った。中学時代から10回以上も対戦し、互いに知り尽くした仲。「通算すると少し勝ち越しているかもしれないけれど、大事なところではいつも負ける」と昨年末の全日本選手権で敗れた試合を振り返った。

 「あと半年早ければ」と樋口、高橋ら遅すぎたライバル撃破を悔やんだが、すでに照準は東京に絞っている。「リオは応援します。樋口に勝ってほしい。で、東京は僕と交代してくれって」と言って笑った。「リン(倫)クル」と恐れられるオリジナルの変型アンクルホールドも武器。「逆算して4年後にメダルがとれるように。今からが勝負ですね」と、東京五輪を目指して言った。