柔道男子日本代表の井上康生監督(38)が14日、都内でグランドスラム(GS)東京大会(12月2日開幕、東京体育館)の記者会見に出席し、大会を放送するテレビ東京の秋元玲奈アナウンサー(31)にキレのあるツッコミで“一本”取った。昨年の会見でリオデジャネイロ五輪男子73キロ級金メダルの大野将平(24=旭化成)の名を挙げ、一躍勝利の女神となった秋元アナの今年の「注目選手」を巡るやりとりで会見を見事盛り上げた。

 現役時代をほうふつとさせるキレのある“返し技”だった。秋元アナが「今大会の注目選手」にリオ五輪女子48キロ級銅メダルの近藤亜美(21)の名前を挙げると、井上監督が渋い表情で、悔しそうに言った。

 井上監督 男子の名前が挙がらず非常に残念…。昨年は大野の名前を挙げてくれて、それを機に大野の柔道が切り開かれたんです。

 秋元アナの「推しメン」だった大野はリオ五輪で金メダルを獲得する活躍を見せた。井上監督の発言を聞いた秋元アナは、男子100キロ級の飯田健太郎(18)の名前を挙げて「高校生なのにすごく堂々として背が高くて、かわいらしい顔のイケメン。これから女性の間で人気が出ると思います」とフォローした。

 飯田は全日本ジュニア体重別選手権で2連覇した逸材。188センチ、95キロで腹筋が6つに割れているイケメンマッチョだ。13日の講道館杯全日本体重別選手権ではウルフ・アロンに決勝で敗れたが、注目度は抜群だった。一方、ウルフは飯田とは逆の野性的な顔立ちをしており、講道館杯の優勝後は「僕はまだ20歳。若いんです」と連呼していた。

 リオ五輪後初となるGSは来夏の世界選手権につながる国際大会で、昨年大会では、リオ五輪でメダルを獲得したベイカー茉秋や原沢久喜らが優勝し、勢いをつけた。

 秋元アナの「推しメン」を聞いた井上監督は「これを飯田に伝えたらグランドスラムで大暴れしてくれると思う。ライバルのウルフにも『これをエネルギーにしろ!!』と伝えたい」と、笑いを誘い、未来の両エースに期待を込めた。【峯岸佑樹】

 ◆柔道グランドスラム 五輪、世界選手権、マスターズに次ぐ大会で09年から開催。今年の開催地はフランス、アゼルバイジャン、ロシア、UAE、東京。出場枠は各国各階級2人で開催国は4人。国際柔道連盟ランキングのポイント対象大会で、優勝者は500点、準優勝者に300点。今年の東京大会はリオ五輪代表の大野将平、原沢久喜、近藤亜美ら計56人が出場。ベイカー茉秋、海老沼匡は故障で出場を回避した。