国際オリンピック委員会(IOC)のジルベール・フェリ五輪統括部長は12日、広島市と長崎市が2020年夏季五輪の共同開催を検討していることについて「五輪憲章は1都市での開催を定めている。共同開催は認めておらず、現時点で答えはノーになる」と両都市の共催案に否定的な見解を示した。共同通信の電話取材に答えた。
共催案を推進する両都市は計画の見直しを迫られた形だが、五輪開催でIOCの実務責任者である同部長は「1都市で五輪を開催し、ほかの都市でサッカーの1次リーグなどを開催することは可能だろう」と説明。広島か長崎の一方が主催し、もう一方で一部の競技を分散開催する形態なら容認することを示唆した。
フェリ部長は、IOC内に招致手順の見直しを求める意見があることに触れ、五輪憲章が「将来的に変更される可能性はある」と指摘。しかし「20年五輪の招致手続きは11年の夏ごろに始まる。それまでに憲章が変更されるとは思わない」と語った。
今後の作業については「立候補都市に開催能力があるかなどを日本オリンピック委員会(JOC)が見極め、意思を固めねばならない。開催計画の策定など仕事はたくさんある」と述べた。
一方で、被爆両市が核廃絶と平和の象徴として五輪開催に乗り出すことには「良い開催意義かもしれない。招致にメッセージがあるのは強みになる」と理解を示した。政治色が強くなりすぎるとの一部の懸念にも「(開催都市を決める)4年後に人々がどう考えるかは分からない」と述べ、アピールの仕方次第との見方を示した。
広島、長崎両市は11日に20年五輪の招致に向け、検討委員会を設置すると発表。広島市の秋葉忠利市長が会長を務める平和市長会議は20年までの核兵器廃絶を掲げており、同市長は「五輪は核兵器廃絶と世界平和のシンボル」として、両市による共同開催を目指す意向を表明した。



