2020年夏季五輪での実施競技存続を目指す国際レスリング連盟(FILA)は17日、タイ南部のプーケットで理事会を開き、女性委員会と倫理委員会の設置を決めた。

 女性委のメンバーには五輪3連覇の吉田沙保里選手(ALSOK)が候補に挙がり、同選手を五輪実施を訴える「FILA大使」にする案もある。

 観客に分かりづらいと不評だったグレコローマンスタイルなどでルールを変更する方針も決定。国際オリンピック委員会(IOC)が求める組織改革と時代に即した競技への変革に着手した。

 5月のIOC理事会でのプレゼンテーションに向け、コンサルティング会社と契約する。プレゼンには特命で指名理事に迎えた元名選手のアレクサンドル・カレリン氏(ロシア)や吉田選手を起用する計画という。

 ラロビッチ会長代行(セルビア)は「みんなで力を結集しないといけない。五輪競技に復活するためのチャンスをつかみたい」と話した。

 福田富昭副会長は「新しい会長(代行)の下、新体制でIOCとコンタクトしていく」と述べ、加盟する180近い国と地域の連盟と連携してロビー活動を展開する考えを示した。

 IOCは20年五輪の中核競技からレスリングを除外し、実施28競技のうち27が確定した。レスリングは最後の1枠を野球とソフトボール、空手、スカッシュなどの7候補と争う。IOCは5月の理事会で候補を絞り、9月の総会で決定する。